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テクノロジーを活用した言語教育 [日本語教育(オーストラリア)]

学校によって異なるのですが、
オーストラリアでは、テクノロジーを
最大限に活用した授業が展開されています。

まず外国語の教室には、必ずと言っていいほどあるのが、
「Interactive White Board」という
プロジェクターをつなげるスクリーンがあります。
しかもタッチパネル式。
これは小学校の教室にもあります。

これを最大限活用して、
パワーポイントで写真を使って日本文化を紹介しています。
またYou tubeの動画などで
日本文化を紹介するものを見せることも出来ます。

生徒は、一人一台パソコンが支給されている
学校が多いようです。
学校のネット環境は、wifiが無料に使えます。

日本語の授業では、
このパソコンが非常に役に立っています。
生徒は、外国語を勉強するアプリだったり、
インターネットサイトにアクセスして
勉強することが出来ます。
一昔前までは、単語を覚えるのにも
手で書いていましたが
今やネットで覚えることが出来るのです。
覚えるためのツールとしては、
穴埋め問題やリスニングなどがあります。
全てゲームになっていますので
生徒は楽しみながら言葉を覚えれるということです。

他にも授業で日本文化を話す時
あるキーワードを言って
それを生徒に調べさせる課題を与えることがあります。
こちらの学校では、生徒に考えさせる授業が主流となりますので
一方的に教師が話すということはあまりありません。

これほどテクノロジーが発展しているので
逆に生徒がテクノロジーを悪用することもあります。
「Google Translator」で何でも訳して
自分で考えない生徒もいます。
教師側は、生徒の宿題を見れば誰がTranslatorを使ったかは
一目瞭然ですが・・・。

日本の学校はどうなのでしょうか?
オーストラリアを真似て、
もう少しテクノロジーを取り入れてもいいのではないでしょうか。

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敬語の使い方 [日本語教育(オーストラリア)]

日本語の「敬語」を教えるのは
とても難しいといつも思います。

日本人の私たちにとっても「敬語」は
使い方が難しいですね。
それを教えるとなると
本当に難しいなと思います。

英語では、勿論丁寧な表現はありますが
それが「敬語」と同じかと言うと
そうではありません。

日本語がわかる外国人に敬語というと
「お+名詞」を思い浮かべます。
とりあえず「お」をつければ敬語だという
感じです。

説明がとても難しいのは、「謙譲語」です。
謙譲語は、自分について使う言葉を低くすることで
相手に尊敬の気持ちを表すものです。
自分を下げるという感覚を教えるのがとても
難しいなと感じました。

逆に「尊敬語」は、話題になっている人や話し相手に
直接尊敬の気持ちを伝える時に使います。
目の前にいる話者に対して直接的に使う尊敬の言葉というのは
英語でも「please」などをつけることがあるため
理解は早いのです。

でも自分を下げるという単語があまり英語には存在しないのか
「謙譲語」での自分を下げるという感覚がいまいち伝わりません。

気になって授業の後で敬語の本を
読んでみることにしました。

敬語の基本はこのように書かれていました。

「敬語は、常に同じ使い方をすればいいのではなく、誰を立てるべきかと言う状況に応じて変わってくる。人間関係を考えて使うようにする。」

「敬語と言うのは言葉に気をつける以前に、自分の態度そのものが失礼にならないことが大切。相手の状況や立場に配慮し、相手になるべく負担にならないようにすることを心がける」
(石黒圭著『日本語てにをはルール』より抜粋)

これを読んで、単に説明だけではこの感覚は伝わらないだろうなと
再実感。言葉というよりも敬語を使う時の心意気から伝えていくことが
大事なのではないかと思いました。

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日本語教師アシスタントから聞く日本語教育の現状 [日本語教育(オーストラリア)]

先日、日本語教師アシスタントの集まりがあり
参加してきました。
こういう貴重な機会を利用して
他のアシスタントの方々から情報収集しております。[わーい(嬉しい顔)]
というのも日頃アシスタントをしていても
他のアシスタントと交流する機会がありません。
(田舎に住んでいるので[たらーっ(汗)]

折角ですのでこちらでも私の頂いた情報を紹介したいと思います。

まず学校によって日本語の習熟度や熱の入れ具合が違います[exclamation×2]
私の学校は、熱が入っていない方だと思います。
以前このブログでもお伝えしたように
私の学校では中1・中2で外国語が必須となります。
中3以降は選択科目です。
その中で高校3年生まで日本語を取る生徒は皆無です。[もうやだ~(悲しい顔)]

それに比べると熱を入れている学校は大違いです。
高校1・2年になると、大学で日本語を専攻することを
目的とした授業をされていたり、
授業以外の補習のような形で、インテンシブ(集中講座)が
あったりするそうです。

小学校で既に日本語を教えている学校もかなり多くあります。
ある学校では、ゲーム感覚で単語を覚えさせているようです。
ひらがなやカタカナなど文字を書く練習はしていないようですが
目で見て判別するということは学習に取り入れているという学校もありました。

授業の熱の入れ度合によって、
勿論生徒の習熟度にも差が出てきています。
私の学校は、中3になってもひらがな・カタカナを識別できない
生徒は多くいます。未だにひらがな・カタカナの表を見ながらしか文字が
書けない子もいます。[もうやだ~(悲しい顔)]
でも習熟度の高い学校では、中3でそんな生徒はいないのだとか。

お話を聞いていると本当に異なるので
毎回驚かされます。
各自が独自の方法で日本語を押しているというのも
なんだかオーストラリアらしい気がします。

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英語話者にとって『ふ』の発音は難しい? [日本語教育(オーストラリア)]

外国語を勉強する時、
どんな言語でも『発音』は難しいですよね。[もうやだ~(悲しい顔)]

日本語学習者にとっても
日本語の発音は難しいようです。

特に英語話者にとっては
『ふ』という音の発音がかなり難関のようです。

『ふ』をどうやって発音しているか
鏡を見てみてください。
口をすぼめて、そのすぼめた口から息を出している音です。
これは英語にはない発音の仕方なんですよね。

『ふ』はローマ字では『fu』と表記されます。
これを見た学習者は、英語の「f」の音を出そうします。
つまり、下唇を上の歯で少し噛んで、歯の隙間から息を出す音です。
この方法では、日本語の「ふ」とは全く音が異なります。
でもローマ字表記では、「f」だしなぁと
英語話者は考えるようです。

発音を教える時に、「家で練習する時には必ず鏡をみて、口の動きを意識して」
と伝えます。
教師が発音した音を、何となくまねているだけでは進歩がないのです。
自分で鏡を見て、言われた通りの口の動きをしてみること。
これが大事だと思います。
始めは意識してでも、言われた口の形をしてみる。
とてもぎこちないのですが、やっている内にしっくりくるものを見つけられると思います。

私自身も英語の発音がよろしくないので、
よく鏡を見て発音矯正をしております。
そこで気づいた[ひらめき]のですが、日本語を話す時は、
総じてあまり口を大きく開けることがないのです。
でも英語は、口を大きく縦横に動かす音が多いと思います。
ということで、かなり荒い言い方をすると、
英語を話す時は、口を大きく動かす、
日本語を話す時は、口の動きは控えめに
なのです。

発音を習得するには時間を要しますが、
毎日鏡を見ながら練習するのが一番[位置情報]
思います。
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カタカナは難しい!! [日本語教育(オーストラリア)]

先月、学期末テストを実施しました。
悲しいことに、全員の生徒が共通して
出来ていない箇所がありました。

それは『カタカナ』です。

カタカナは英語話者からすると
とても厄介な言葉です。
彼らはカタカナの言葉を聞くと
何となくどこかで聞いたようなイメージを思い浮かべます。
それはごく普通のことなのです。
なぜなら『カタカナ』は、
外来語を表記する文字だからです。

『カタカナ』は、日本人が聞き取った外国語を
もとに外来語に変換された言葉ということを
意識してください。
つまり英語の得意でない日本人が、ある英単語を聞いて
聞こえたまま、カタカナという文字に起こしたというわけです。
そのため、本来の英語の単語とはかけ離れた言葉として
カタカナの単語は存在しているのです。

例えば、<レストラン>という単語ですが、
Restaurant という英語はネイティブが発音すると
語末に小さい『t』という音がつきます。
無理やりですが、カタカナ表記してみると
『レストラント』となります。
でも日本語ではこれは間違いとなります。

このように音だけ考えれば
外来語は相当元の言語から変化を遂げているのです。
そして、その外来語の元言語を話す国の人にとっては
この小さな違いを見つけるのは相当な苦労のようです。

そして、カタカナ最大の難関と言えば『―』です。
この音を伸ばす時の横線が、
私の生徒は誰も出来ませんでした。

例えば、『オーストラリア』という単語ですが、
生徒が書くと『オオストラリア』となります。
彼らの頭の中では、ローマ字表記でいうと『oosutoraria』となり、
Ooが続くのでオオとなってしまいます。
この横棒を使う言葉は、同じローマ字を続けて書くのだよ、
でもカタカナ表記はーだよというのが非常にややこしいようです。

まずは、音をネィティブスピーカーの音で聞かない、
そして、横棒の難関をクリアすること。
この2点が克服できなければカタカナは非常に難しい仮名となるのです。

これは教える側もしっかりと意識して
取り組まないといけないと反省しております。
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映画から見える異文化理解 [日本語教育(オーストラリア)]

学校では、全てのテストが終わり
後は学期が終わるのを待つだけになりました。

授業でも何かを勉強することはなく、
生徒たちと日本の映画を見ました。
見た映画は『オオカミこどもの雨と雪』です。

生徒の反応からお話すると
賛否両論ある映画でした。

ストーリーは狼男と人間の女性が結婚し、
半分人間で半分オオカミの兄弟の成長を描いています。

狼男という発想がオーストラリア人にとっては
ちょっと笑いを誘う面白さみたいで、
人間からオオカミに変わるシーンで一笑い。
この笑いが何なのか私にはよくわかりませんでした。

担当の先生と話をしていると
半身人間で半身動物という発想が、彼らにとって異質ということだそうです。
また、この種の生物を元にした西洋のお話では
基本孤独に生きている設定のため
結婚して子供が出来る展開に
違和感を持っているのではないかということでした。

日本には動物と共存するとか動物の化身が沢山出てくる昔話が
沢山あり、あまりこういうストーリーに
違和感を持つ人は少ないと思います。

日本人としては、普通に思っている映画でも
文化的な背景が結構出ているのだなと思いました。

逆に私たち日本人が外国映画を見る時
映画の作られた国の文化や生活を気にしているのでしょうか。

個人的にはハリウッド映画を見ていると
そんなに異文化を感じません。
逆に私の好きなフランス映画は、好きな人もいれば
嫌いな人もいます。
これは文化への許容範囲をしめしているのではないでしょうか。
勿論個人的な好みもあると思いますが。

ただ映画を見るという行為ひとつですが、
生徒にとっては、大きな異文化体験のインパクトだったようです。
どう感じたかはそれぞれですが、
良くも悪くもそれが日本文化の一部分です。
自分の感じたことをしっかりと受けとめて
自分が他者(外国人に限らず)と関わる時の異文化理解に
活かしてくれればと思います。
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生徒の書く「ひらがな」について [日本語教育(オーストラリア)]

オーストラリアではもうすぐ4学期が終わります。
こちらの中学・高校は4学期制で
1年は2月始まりの12月終わりです。
学期が終わるということは…
教師にとっては採点という大きな仕事の山を迎えます。
テストをした分だけテストを採点しなければなりません。
勿論アシスタントの私も採点作業をしています。

採点をしていると、
生徒の弱点が段々見えてきます。
誰も正解者がいない問題をみると…
この単語覚えるのが難しかったのかなと考え込んでしまいます。
また日本人からはこんな間違いするのかと
思うようなこともあります。

とても驚いたのは初級の生徒の間違いです。
彼らの単語テストを採点していたのですが、
書かれた平仮名が、なぜか楷書体のような自体でした。
なぜ?と思い、色々原因を考えてテスト用に作ったプリントを見たところ
そのプリントの活字は明朝体でした。
!!!
これで、生徒がなぜ間違えるのかわかりました。
生徒は、明朝体を全くそのまままねていたのです。
明朝体は確かに楷書体のような字体ですので
生徒の字も筆で書いたような達筆な字体になってしまのです。

日本語の字体というのは考えてみるとかなり色々な種類がありますね。
日本の街中での看板や広告・ポスターなどを見てみると
よくわかります。
私たち日本人はどの字体で書かれていても同じ字だという認識が出来ますが
ネィティブ以外の人にとって、
字体の認識は相当きついようです。

初級の生徒は、まず文字を正しく書くことに集中しているため
書かれた文字を写すことに必死になります。
結果文字を読むとか認識・識別するということが
後回しになってしまっています。
なので明朝体で書かれている文字も、
左から右へ移しただけの文字になってしまっているのです。

まずは正しい字を書くことが大事ですので、
担当の先生にプリントをゴシック体で作ってもらいました。
ゴシック体は、私たちが書いている文字に近いので
まねしても大丈夫です。

小さな努力ですが、こういうことを潰していくことが
生徒にとってより日本語を学びたいと思わせる方法なのだと思います。
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オーストラリアの外国語教育について [日本語教育(オーストラリア)]

以前留学していたカナダに比べて
オーストラリアは日本語学習が多い国です。
どうして日本語学習者が多いのか。
今日は、オーストラリアの外国語教育についてお話したいと思います。

オーストラリアの外国語教育はLOTE(Language other than English)と
呼ばれています。
さてここで問題です。
彼らの第一言語は世界共通語の英語ですが、
彼らにとって外国語とは何語のことなのでしょうか。

オーストラリアの学校教育は、各学校の校長先生に任されています。
どの言語を学ばせるかという事も校長先生が決めることが出来ます。
そのため学校によって学べる外国語が異なります。

しかしながら校長先生が自分の好きな国の言語にすると決めるには無理があります。
まずその言語を教える先生を雇わなければならないという問題があります。
またどの言語を学べるかということは、学校の売りになりますので
生徒の需要を考えなければなりません。

そして学校で教える外国語のガイドラインとして政府から
Nine Key Language(9つの重要な言語)が挙げられています
この9つの言語と言うのは、アラビア語・中国語・フランス語・
ドイツ語・ギリシャ語・インドネシア語(マレー語)・イタリア語・
日本語・スペイン語です。
これらはオーストラリアと外交的に関わりがある国でもあり、
国を挙げて、これらの国の言語を話す人を育成に取り組んでいます。
校長先生はこの9言語も参考にしながら自分の学校で学べる言語を最低2つは選びます。
生徒にはどの言語を学ぶかの選択肢が与えられます。

さて日本語についてですが、日本もオーストラリアとの貿易関係で
重要視されている国であるため、9つの言語に入っています。
そして日本文化のブームとも重なり、30年位前から
オーストラリアでの日本語学習者は増加傾向にあるようです。

日本人としては、日本に興味を持ってもらう人が多くてとても嬉しいですね。
生徒のこの好奇心がなくならないよう、私も日々努力していきたいです。
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